貨幣の偽造防止技術と仮想通貨が変える生活は一体どんなものなのか

先日日本国内の両替所で偽の米ドルを掴まされてしまうという事件がありました。偽札を作るということは、お金を自ら発行することで不当に利益を得る犯罪です。米ドルを始めとして、貨幣などはこれまでに多くの改良を重ね、製造コストはかかるものの偽造防止技術の高い通貨を発行するようになった。通貨に使われる偽造防止技術は通貨の信用、更にはその通貨の流通する国家の信用にまで関わってきます。実は日本円も、超微細な文字の書き入れや特殊発光インキによって偽造防止をしています。他に、シンガポールやカナダの紙幣はポリマー製でできていて、そもそも素材が手に入れにくい、という方法で偽造を防いでいたりもします。

今回、なぜ偽造貨幣だと見抜けずに米ドルを受け取ってしまったのでしょうか? 実は米ドルにはホログラムによる偽造防止がなされているのだが、今回の偽札にはホログラムは印刷されていなかったのです。原因は、今回の偽造貨幣が磁気による検査に対してうまくすり抜けられる様に作られていた、ということらしいです。

 

仮想通貨はマイナスイメージによって市場を煽ってる?

 

「仮想通貨」と聞いたときにまず何を思い浮かべるでしょうか?「ビットコインを返して」というマウントゴックスの事件、それから最近では「ビットコインによる詐欺」などをよく聞くかもしれません。はたまた、「そもそもどういうものかわからない」と思っている人もいるかもしれれません。ビットコインを預けた銀行から預けたビットコインが消えたニュースや、ビットコインに関係する詐欺が発生しているのは事実です。

しかし、それだけマイナスイメージを強く持ってる人が多いのにも関わらず、ビットコインの価値は日を追うごとに上昇しています。では一体なぜこんなにもビットコインは人々を魅了し続けるのでしょうか?

 

バブルとも言われる仮想通貨は、多くの人たちの短期的メリットが原因

 

はっきし言っていま仮想通貨が盛り上がっている理由は「投機」でしかありません。リスクを承知の上で短期間に大きな利益を得よう、という人たちが世界中にたくさんいるのです。仮想通貨は時折、「バブル景気」「チューリップ・バブル」「円天」と言われることがあります。もしバブルなら、将来ビットコインは暴落する、ということになるし、もし円天ならビットコインは詐欺通貨で、交換した円などは騙し取られた、という捉え方もされます。まず、バブルかどうか、という話については誰も知る由がないというのが答えです。

そうであるならば、あるとき一気に価値が暴落し、ビットコインに両替していた人は大損するでしょうし、円天かどうかと聞かれれば話は早く、「違う」と断言できます。

 

発行元のない通貨がなぜ信用されて使われているのか

 

円天には発行元がありました。結局はその会社が経営破綻をし、払うと決めていた「円天」も、預金を引き出せなくなってしまったのです。一方、多くの仮想通貨には発行元がありません。しかし、誰も作らなかったものが世界に存在することはありえません。一体どのように仮想通貨は生まれるのでしょうか?

まず、多くの仮想通貨は生まれる前に次のようなことが決められます。「総発行量」「分散型台帳の生成頻度」等です。そして、発行するのは我々利用者自身です。「我々自身」と言われてもしっくりこないと思います。もっと具体的な表現をすれば、「国家や会社ではなく、各個人が発行できる」のです。

「発行できる」といっても誰でも好きなだけ発行できるわけではありません。ビットコインなどでは「演算能力をより多く持つ者」がより多く発行できる。そしてこの演算能力はビットコインの送金履歴の保存や、セキュリティを高めるために使用されます。そして、ビットコイン送金時にかかる手数料なども演算能力を持つものに分配されます。そしてこの「演算能力」を使いビットコインを発行する、つまり限りある通貨を新しく発行することを、「金の採掘」に例えて「マイニング」と呼びます。この仕組を知れば、詐欺通貨ではないことは理解できるのではないでしょうか? 昔はマイニングを誰でも行うことができました。ですが、いまでは高度な能力を持っているパソコンでしか行うことができなくなってしまっているので、多くは企業や国家単位でマイニングが行われています。仮想通貨の大半は中国でマイニングされていると言われています。

 

種類が増える仮想通貨と横行する仮想通貨詐欺はどういうものがあるか

 

「仮想通貨」と一口に言ってもビットコインだけではありません。スマートコントラクト機能(プログラム化された契約のこと)を有する「イーサリアム」、匿名性に優れる「ゼットキャッシュ」送金処理が素早く行われる「ライトコイン」、日本発祥の「モナコイン」など、大手仮想通貨取引所であるBittrexに上場している仮想通貨だけで292種類存在しています(2017年10月31日時点)。

仮想通貨が増える理由は様々なものがありますが、「ビットコインより便利で普及する通貨を作った」「新しい仮想通貨で独自のコミュニティを作る」「寄付活動の一環として作成」「価値が上がることを前提とした金儲け用通貨」など慈善活動から私利私欲の為など多岐にわたります。しかし、詐欺が行われているのはもっと初歩的な部分になります。「ビットコインを買うための権利が必要だから銀行に振り込め」「未公表の仮想通貨を買わないか」など、仮想通貨を使った詐欺ではなく、「仮想通貨」という言葉を使った詐欺なのです。

皆さんが聞く様な仮想通貨に関する事件はそういった誇張された情報が大半を占めているのです。

 

 

通貨の未来と我々の未来の生活

 

仮想通貨を投機目的以外で購入している人もいます。アフリカなどの経済基盤が安定していない国や、自分の国の通貨が信用できない人などこれまた理由は多岐にわたりますが、「国家や会社」の信用に左右されない安定した通貨、と捉えることによって独自の価値を生み出しているのです

一方、我々日本人に恩恵はあるのでしょうか?。人にもよりますが、多くの人はあまり恩恵を受けないのではないかと思います。というのも、日本円は世界的に見ても安定した通貨でありますし、人から人への送金も既存のサービスを利用することで可能となります。さらに、よく見るビットコインの広告に「世界中の誰にでも一瞬で手数料はほぼ無料で送金できる」というものがありますが、ここには2つの嘘が隠されています。

一つ目の嘘は「一瞬」という言葉です。ビットコインの送金のやり取りを記録する「ブロックチェーン」という技術がありますが、これをビットコイン送金時に作成するのに10分ほどかかるため、信頼された取引を行うには10分以上必要なのです

そして二つ目の嘘は「ほぼ無料」という言葉です。実際にビットコインを500円だけ送金しようとした場合、スピーディーな取引を行うためには約300円分の送金手数料がかかります。もしこの手数料がコンビニでコーヒーを買うたびにかかれば、とても使えるものではありません。

 

―――このように聞くと、よっぽど交通系電子マネーや楽天Edyを使ったほうが良いと思うかもしれません。一瞬で決済できるし、手数料がかかるどころかポイントまでつく。しかし、今まで話したのは「決済」のための機能で、この機能こそ他のサービスに劣るが、有効に使える場面もある。特に「海外送金」をするときにはとても大きい恩恵をうけることになります。先程、送金の手数料に300円かかると言いましたが、これは500円のときだけではなく、10万円や1000万円程の大きなお金を動かすときでもあまり変わることはありません。というのも、記録のための「ブロックチェーン」に利用料を払っている訳であって、金額が増えようが記録するデータの量はそれほど変わらないのです。仮想通貨の良し悪しを理解した上で利用すればきっと仮想通貨の恩恵は受けられるとは思います。

我々の生活はすでに安定していて、世界的に価値の安定した通貨を利用しています。そのため仮想通貨が我々の生活に入り込んでも、そこまで生活を変化させることはないでしょう。しかし、マクロでみたときに世界の経済活動はより活発的になり、世界をよりよく変えていく可能性を秘めているのです。